沖縄の隠れ家的お店を放浪~那覇市・新都心おもろまち~日本有数のITシティに希少なシガーバーがあった!?

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沖縄と言えば、海、首里城、万座毛などの観光地を思い浮かべる方が多いでしょう。泡盛飲んで、すぐに踊って、あくせく働かないでノンビリしているというイメージを持たれてる方も多いかもしれません?実際に沖縄に住んでいる人間からすると、そうでもないんですよ。今回は、東京以上にITが白熱している那覇市の新都心「おもろまち」と、その中でも特に「沖縄らしくない・沖縄でも珍しい希少なお店」をご紹介します。

沖縄の新都心・おもろまちって?

那覇市に観光で訪れたことがある人はご存知だと思いますが、那覇市の観光スポットと言えば国際通りと呼ばれるメイン通りが挙げられます。国際通りは、戦後の沖縄とアジアとしての沖縄、様々な顔が垣間見えます。88の番号は「ステーキハウス88」の看板。戦後、米軍統治時代から続く老舗です。

沖縄と言えば美しい海に青い空と南国の暑さというイメージがあります。
まったく、その通りなんですが、県庁所在地でもある那覇市泉崎や、那覇市久茂地のオフィス街となると少し様子が変わってきます。

那覇市の泉崎、久茂地という地域は、県庁を始めとした官公庁、企業のオフィスが立ち並び、そこで働く人たちを客層とした飲食店が、国際通り、久茂地川沿い(那覇の人は‘川沿い‘と呼んでいます。)に軒を連ねています。久茂地川沿いは地元の人から観光客まで幅広い客層を狙った飲食店の激戦地区です。

沖縄は「県」ですから、「都心」というのも変な話ですが、まさに沖縄の「都心」として不動の地位を築いてきました。現在もこの地域群は那覇の活気ある場所として地元民から根強い支持を得ていますが、20年ほど前から新たな「都心」が誕生しました。それが「新都心・おもろまち」です。

おもろまち。元々は基地返還跡地だった!?

おもろまちは旧天久解放地を開発してできた街です。
旧天久解放地は在沖米軍の家族が居留していた土地で、1987年5月に沖縄県に返還されて以来、なんと13年近くも更地でした。

私はおもろまちのすぐそばに住んでいるのですが、以前、住んでいた首里から引っ越してきた当時は、周辺はフェンスで囲まれ、雑草生い茂る荒地でした。

上の写真はその名残をわずかに残している場所です。不自然な区割りがされ、フェンス内部は砂利か雑草しかなかったのです。それが今ではこのように変わりしました。

現在の場所に引っ越してきて20年以上経ちますが、毎年、劇的に様変わりしていくおもろまちに唖然としたものです。

おもろまちの中心地、新都心公園。
ジョギングやウオーキングがしやすいように柔らかい地面になっており、遊歩道は勿論、テニスやサッカーグランド、全国的にも珍しいスケートボードの練習台まであります。

首里にあった県立美術博物館も公園のすぐそばに移転してきました。新都心公園と隣接している海外有名ブランドを取り扱ったDFSギャラリーもあります。免税店ですが、ギャラリーというだけあって、有名ブランドの博物館のようです。

国際通りがどこかアジアンチックな雰囲気を醸し出しているのに対し、おもろまちはまるで東京などの本土の雰囲気です。

日本有数のITシティ!移住者や単身赴任者の街!?

立ち並ぶのは富裕層向けの高級マンション群です。
おもろまちは国と県が助成金を出し、本土のIT企業の誘致を推進してきました。
それが功を奏し、この街には多くの本土、多くは東京に本社を置くIT企業がオフィスを構えています。今では沖縄県は、主力産業だった観光を追い抜き、第一次産業がITです。日本でも有数の規模を誇ります。そのため、おもろまちに住む人達は、本土からの単身赴任者や、その家族が多いのです。また、投資家や実業家の移住者も多く、沖縄県内でも富裕層が集中している一等地でもあります。

おもろまちの飲食店は高級店・強豪揃い!?

写真は、おもろまちの飲食店が集中する通りです。
久茂地川沿いの飲食店が昔からの沖縄の地元の人が利用することが多く、割と庶民的なのに対し、おもろまちは本土から移住してきた富裕層を客層とした高級店が多いのが特徴です。そのため、地元愛の強い人は久茂地で呑み、本土のような雰囲気を求めている人はおもろまちで呑むことが多いのです。久茂地にも東京の銀座に匹敵するような高級店がありますが、沖縄は電車がないせいもあってか、近場のおもろまちで飲食を済ませるわけです。

このような「おもろまち」の中でも、およそ「沖縄らしくない」「沖縄でも珍しい希少な」飲食店を訪ねてみました。

バー&カフェ7C(セブン・シー)

先ほどの写真の通りから少し北に行き、ひっそりとあるのが「バー&カフェ7C」です。
夜8時から営業という、沖縄ならではの時間帯。このお店、通常のバーとは違う魅力を持っているのです。

店先に置いてあるスタンド看板をよく見ると、カクテル以外にもコーヒーや葉巻、喫茶店のフードがあるのがわかります。

お店の看板の横にある扉を開くと…

この雰囲気!!重厚かつシックなバック・バーが迎えてくれます。

豊富なウイスキー群の中から、特にレア物が揃っているジャパニーズ・ウイスキーのコレクションは圧巻。コアなウイスキー愛好家にとっては垂涎レベルです。

沖縄といえば地酒、泡盛と思われがちですが、実は泡盛よりウイスキーが好きという沖縄県民も少なくありません。何を隠そう、私もその一人です。熱烈なニッカ・ファンには感激の余市ブランドの原酒コレクション。沖縄に居ながらにして、東京の銀座顔負けのウイスキーの充実さが楽しめるのが、おもろまちの魅力の一つなのです。

ですが、このお店の本当の魅力はウイスキーではありません。

カウンターの奥、ボックス席手前に、バック・バーとは別に独立したボトル棚が…

と思ったら、なんとこちらは葉巻専用の巨大なシガー・セラーなんです。これだけのサイズのシガー・セラーは初めて見ました。しかもどれもプレミアム・シガーばかりです。

実は7Cのオーナー、山縣 純さんはNPO法人FBO(料飲専門家団体連合会)の公認資格である「シガーアドバイザー」の有資格者なんです。
FBOは料飲に関わる様々な公認資格を検定している団体で、日本酒の利き酒師ソムリエ、儀典をコーディネートする儀典オーガナイザーを輩出している団体です。そこの公認シガーアドバイザーである山縣さんは、バーテンダーであると同時に、コーヒーとシガー、そして「喫茶店」に並々ならぬこだわりを持っているのです。

本土の人はビックリ!?沖縄と本土の喫茶店の違い

「最初、初めて僕が沖縄に来た時、‘純喫茶店`というお店を見てびっくりしたんです。」
そう語る山縣さん。何のことだか、よくわからないと思いますが、私が高校生くらいの時代まで、沖縄は「普通の喫茶店」がなかったんです。
いや、あったかも知れませんが、いわゆるジャズがゆったり流れ、焙煎された淹れたてのコーヒーの香りが心地いい喫茶店は、私が記憶している限りではありませんでした。

どんな喫茶店があったかというと、花札のゲーム機が置いてあり、喫茶店なのにラーメンがメニューにあったり(インスタントでした。)、なんというか、なんとも表現しがたいお店が主流だったのです。
ドトール・コーヒーが国際通りにオープンしてから、きちんと焙煎された美味しいコーヒーが楽しめる喫茶店が普及し始め、それまでの「喫茶店」とは一線を画すために「純喫茶店」という世にも珍しい名前が誕生したのです。

今では沖縄県民も、ゲーム喫茶店と喫茶店を区別するようになりました。
ただ、山縣さんのこだわりはこれだけで終わりません。
「喫茶店は‘喫茶‘ですからね。」
シガーアドバイザーの資格を持つ山縣さんとしては、コーヒーと抜群の相性を持つ煙草や葉巻も堪能できて、初めて「喫茶店」なのです。

挽きたてのコーヒーを目の前でドリップしてくれるオーナーの山縣さん。
山縣さんはホテル・バーマンの出身ですが、その前に初めて経験した接客業が「喫茶店」だったそうです。そこで初めて接客業の魅力に気づき、同時に自身のお店を持つ時は「喫茶店」の魅力も満喫できるお店にしようと決意したわけです。

事実、取材時にも、仕事帰りにお酒ではなく、コーヒーと葉巻を楽しんで疲れを癒しているお客様もいました。「理想的な活用法です。」と満面の笑みの山縣さん。
シガー・バーはたくさんありますが、「喫茶店」の要素を取り入れたバーは全国的にも珍しいのではないでしょうか?
極上の葉巻と美味しいコーヒーが楽しめる、沖縄でもかなり希少なバーが誕生したわけです。

葉巻は「時間」を楽しむもの

7Cのコンセプトは「葉巻です。」と語る山縣さんは、葉巻にも独特のこだわりがあります。
私も実はバーで働いていた経験があるので、葉巻と聞くと、この銘柄の葉巻に合うお酒やスィーツ゚と考えてしまいますが、山縣さんはより本質を突いています。
「葉巻の醍醐味は、この1本を楽しむ時間。」
さすがシガーアドバイザーです。
接客をする側からあれこれと勧める以前に、お客様の好きな銘柄を好きな飲み物で楽しんでほしい、というのが真のコンセプトなのでしょう。

食後に楽しむ「7つのC」

店名の7Cは、飲食業界ではよく知られた言葉で、「食後に楽しむ7つのC」、
コーヒー、シガー、チョコレート、シャンパン、コニャック、カクテル、カンバセーション(会話)の頭文字から取っています。山縣さんは、これを少しアレンジして「シャンパン」を「コレクト(収集)」に変えたいと考えているそうです。確かに、ウイスキーにしろ葉巻にしろ、これだけの種類を揃えて管理してるわけですから、コレクトという言葉がぴったりです。コレクターが集って楽しめる、独特の空間もまた面白いかもしれません。

せっかくですから、お店でも注文が多いというアイリッシュ・コーヒーを注文しました。
見た目は普通のラテに見えますが、これにアイルランド産のウイスキー(アイリッシュ・ウイスキー)を入れたカクテルです。コーヒーにウイスキーを入れて登場するのが一般的ですが、喫茶店をこよなく愛する山縣さんらしく、あえてコーヒーとウイスキーを別のグラスに分けて出してくれます。

人それぞれですが、私はまず、淹れたてのコーヒーの香りと味を楽しんで、そこから好みでウイスキーを足していくスタイルが大好きです。これにプレミアム・シガーがついてくると、まさに至極の「時間」が楽しめます。

本土と沖縄が交差する街、おもろまち

取材を終えて、改めて私はおもろまちの特異性を実感しました。
取材に協力してくれた7Cのようなお店は、沖縄はもちろん、全国でも珍しいスタイルのお店だと思います。「今までの沖縄にはなかった、だけど本土でも珍しい」お店が、おもろまちは点在しています。

沖縄県民によっては、おもろまちを「沖縄らしくない」と思う人もいます。仕方の無いことですし、確かにおもろまちは、今までの「沖縄らしく」ありません。ですが、「沖縄らしい」基準なんて、どこの誰が決めたものでもないはずです。

琉球王朝時代から、時の中国王朝の影響を受けながら、沖縄は東アジアでも有数の交易国としてヨーロッパの文化まで受け入れてきました。幕末に薩摩藩の琉球処分を受け、明治維新で「沖縄県」になりました。戦後は米軍の統治下、「アメリカ」としてアメリカ文化を取り入れ、1972年の本土復帰で再び日本になり、現在に至ります。

時代によって「沖縄」は常に変化しつつ、どこかに「沖縄」の独自性を保ってきたわけです。
おもろまちの風景写真がそれを物語っています。

街並みだけにとらわれると、沖縄らしくないですが、少し視線を上に向けると、そこには確かに、沖縄の美しい青い空が広がっているのです。本土と沖縄が交差する風景が、おもろまちにはあるのです。

20年ほど前、周りをフェンスで囲まれ、砂利と雑草の荒地だったこの土地が、日本有数のITシティになり、富裕層が集中する一等地になるなんて、誰も予想していなかったでしょう。

この小さな島が持つ、不思議な魅力と力強さを、おもろまちを見る度に私は実感するのです。

ニライカナイ(神々の国)を表したアーチの橋に続く歩道。おもろまちのシンボルです。

ねこざむらい:

沖縄で猫と暮らす武術家ライター。沖縄で猫と二人暮らし。好きな食べ物はソーキそば。合気道、合気柔術の稽古に明け暮れ、那覇のセガールと呼ばれています。剣術、柔術クラス、受講生募集中!!

バー&カフェ7C
沖縄県那覇市 おもろまち4-17-9 TNビル1F

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