沖縄の隠れ家的お店を放浪~那覇市・新都心おもろまち遍2~業界を変えた!沖縄初のチーズ専門販売店とチーズバル

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沖縄の那覇市、おもろまちは日本有数のIT都市であり、これまでの沖縄にはなかった、そして日本全国でも珍しいお店がある街です。
今回は、おもろまちの中でも突出した個性を放つ「チーズ専門販売店チアーズ」と、一人の青年の熱意が沖縄のチーズ業界をも変えた「チーズバル ティンガーラ」を取材しました。

沖縄初!世界のチーズを販売するチーズ専門店チアーズ

最初にご紹介するのは、世界のチーズを専門に販売する「チアーズ」です。
こじんまりとした店内には世界中のチーズが勢揃いです。

鮮度抜群のナチュラル・チーズをその場で切り分けてグラムから販売したり、

調度よいサイズでパック販売してくれます。

肉の塊があるのにお気づきでしょうか?チーズ・セラーの上です。

そうです、有名なイタリアの生ハム・プロシュートもお好みの量を切り分けて販売してくれるんです。さらにこのお店のラインナップはチーズだけにとどまりません。

このワイン群。チーズと生ハムと来ればワインが飲みたくなるものです。チアーズではチーズと特に相性がいいオーガニックワインも豊富に取り揃えています。

さらに、チーズをより美味しく頂くために!

ハード・タイプ・チーズ(固いチーズ)の中でも不動の人気を誇るパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズにかけると美味しいバルサミコ酢、チーズと共に食べたいピクルスやオリーブなど名脇役達もしっかりと存在感をアピールしています。家庭用のチーズ・フォンデ(チーズをトロトロにとかして野菜などにつけて食べるスタイル)器具まで。チーズファンにはたまらない徹底ぶりです。

チアーズは、チーズのソムリエであり、チーズ・プロフェッショナル!

チアーズの店長であり、オーナーでもある加藤さんは、NPO法人チーズ・プロフェッショナル協会(C,P,A)の認定チーズプロフェッショナルであり、検定講師でもあります。


好みの味、量を選べます

チーズプロフェッショナルは簡単に言えば「チーズのソムリエ」です。
チーズの歴史から製造工程、種類などの深い知識を持ち、加藤さんのように販売の分野やレストランなどでマリアージュを提供など、チーズに特化した専門家なのです。

単純にチーズだけを販売するのではなく、よりチーズの魅力を一人でも多くのお客様に知って頂こうと並々ならぬ情熱と努力を惜しまないお店であり、よりチーズを身近な食べ物として楽しんでもらいたい、という加藤さんの熱い想いがこめられた、チーズ専門店なのです。

沖縄で8年「専門店」前代未聞の敷居の高さ

チアーズは沖縄で初めてのチーズ専門店として8年前にオープン。加藤さんはその時からの立ち上げメンバーです。その当時、私も飲食店で働いていたので、オープンを聞いた時は衝撃と共に大きな喜びでもありました。

何故なら、沖縄でチーズ専門店は前代未聞だったからです。
沖縄で本格的な世界のナチュラルチーズを楽しもうと思ったら、最高級のホテルぐらいでしか扱ってなかったのです。ですので、私の働いていたオーセンティック・バーでは「チーズの盛り合わせ」など、恥ずかしくてお出しできず、メニューから外したくらいでした。

チアーズの誕生によって、ようやく沖縄でも堂々とちゃんとしたナチュラルチーズの提供ができるようになったのです。

しかし、その一方、経営する側は大変だったようです。
沖縄は「専門店」は一部の富裕層が行くもので、庶民は敬遠する傾向が特に強い土地柄なのです。おもろまちは沖縄でも富裕層が集中している地域ですが、それゆえに家賃も高く、店舗経営はそれだけで大変です。ただでさえ人口が少なく、格差が激しい沖縄では「専門店」として生き残るのは至難の業なのです。

経営を引き継いだ加藤さんは、専門店であるがゆえに、経営がマニアックすぎたきらいがあったと振り返ります。
「ですので、もっと入りやすい、優しい、親しみやすいお店にしたい。」
と語る加藤さん。その思いは少しずつ浸透していってます。

オープン当初は実はあまりワインは置いてなかったのです。それを加藤さんは大胆に、ワインのラインナップを強化。リーズナブルな値段でチーズに合うオーガニックワインを中心に取り揃えました。おかげでチーズの種類によって、合うワインをその場でセレクトできるようになったのです。チアーズでワインの事が好きになったお客様もいるほどです。

さらに、チアーズ・オリジナルのチーズ商品の開発も取り組んでいきたいと、加藤さんは目を輝かせて語ります。

こちらがそのオリジナル商品「カリカリチーズ」。
オランダのゴーダチーズを100%使用したスナック感覚で楽しめるチーズです。試食させて頂きましたが、カリっとした食感の後に広がる深い独特のクセがたまらなく美味しい逸品です。

意外にもチーズが苦手という人も来店!

チーズ専門店だからチーズが嫌いな人は来ないだろうと思いきや意外にも
「私、チーズ苦手なんだけど、そんな私でも合うチーズありますか?」
と来店されるお客様もいらっしゃるとのこと。加藤さんも最初はビックリしながらも、
「でもこれをきっかけにチーズを好きになってくれたら。」
と思い、色々、好み(もしくはチーズのここが苦手という部分)を熱心に聞き、提供して、そこからチーズを好きになってくださった方もいるそうです。やはりチーズのプロフェッショナルです。


笑顔で説明してくださる加藤さん

そして、それだけではなく、とにかくチーズが心から好きなんだという情熱が伝わるのでしょう。
チーズの事を語る加藤さんはとても嬉しそうです。心の底からチーズが大好きなんだなあ、という事が強く伝わってきます。
「専門店の強みを生かしながら、もっとチーズに親しんでほしい。」
そんな思いが店内の入り口に設けているカフェ・スペースからも伺えました。

食事、ビール、ワイン、チーズが楽しめるチーズバル・ティンガーラ

チアーズと同じビルの奥にあるエレベーターに乗り、五階に行くと…。
チーズバル・ティンガーラがあります。

ランチとディナーの二部構成のこのお店は、チアーズの経営者が加藤さんに代わる前の先代がチアーズ・オープンと共に誕生しました。

カウンターの他にオシャレなボックス席と素敵なテラス席も。

ランチは日替わりパスタが850円から。チーズ専門バルらしい、世界のチーズを使った料理が楽しめます。

個人的に大満足なディナーの「スパークリング・ビアテラス」メニュー。
一人3500円から、フード6品のコース料理にビール、ワインなどが飲み放題!6~9月のちょうど沖縄のシーズン中にこれは嬉しいサービスです。

まずはビールで喉を潤し、前菜のオードブルを。
やずは三種チーズと生ハムサラダとゴーヤーのピクルスの前菜オードブル

チーズのカナッペ(クリームチーズに胡椒と山葵というスパイシーながら柔らかな味わい!チーズは日替わりです。)にプロシュート生ハムのサラダ、沖縄らしくゴーヤーのピクルスにオリーブ。

と、ここでカウンターのバックバーに見慣れないものが・・・。
なんだろうと不思議に思っていると、オーナーである野倉さんがパンとソーセージを載せたお皿を器具のところに設置。

この器具、固いチーズをゆっくりと溶かし、溶けてきたチーズを食材の上に垂らす器具だったのです。ラクレットというハードチーズが徐々に垂れ落ちていき、食欲をそそります。

オクラと梅のパスタの後に、溶けたラクレットが登場。赤ワインに切り替え、もう、たまりません。

沖縄に本格的なチーズを持ち込んだ男


プロシュート生ハムを目の前で切り分けてくれる

沖縄で初めて、いや、ひょっとしたら日本で初めてチーズに特化したチーズバル「ティンガーラ(沖縄の方言で天の川という意味。)」を経営する野倉さんは、一階の「チアーズ」の先代オーナー。立ち上げからチアーズを支えてきた加藤さんに代を譲ってからは、このティンガーラでオーナー兼バーテンダーを務めています。

彼がいたからこそ、沖縄で本格的な世界のチーズを「専門的」に楽しめるようになったと言っても過言ではありません。それまで、世界のナチュラルチーズは高級品として百貨店で、それも雀の涙のような数量でしか販売されていなかったのです。それを8年前に野倉さんがチーズ専門店とチーズバルをオープンさせ、沖縄のチーズ事情を一変させたのです。

何故、チーズに特化したのか?

野倉さんがチーズの魅力にとりつかれたのはホテル・バーテンダー時代の頃。
名古屋から沖縄にやってきて素泊まりのドミトリー暮らしをしながら、バーテンダーを志していた野倉さん。
「どうせなら最高のサービスを勉強できるホテル・バーマンなりたい。」
と、沖縄でも屈指の名門ホテル・ハーバービューに電話。求人募集をしていなかったにも関わらず、その熱意でホテル・バーマンとしてキャリアをスタートさせます。その後、カクテルコンペ沖縄代表で全国大会に出場し、全国4位まで登り詰めます。

チーズとの出会いはその過程で起こりました。
チーズとお酒のマリアージュにハマった野倉さんは、奥深いチーズの世界に入っていきます。同時に、世界のチーズが沖縄までなかなか流通されない事情、その一方で、沖縄にも熱烈なチーズファンがいて、確かなニーズがあることを痛感します。

その後、実家の事情で地元、名古屋に戻ることになった野倉さんは、
「必ず、沖縄に戻ってチーズの専門店をオープンさせる。」
という情熱を胸に、地元の大手百貨店で世界のチーズの流通と仕入れを勉強しながら、取引先の開拓に乗り出します。
しかし、そこにはチーズという食品の特性と、沖縄という地域の特性が壁となって立ちはだかっていたのです。

売れるわけがない!断られ続けても「沖縄のチーズ事情を変えた男」


チーズを溶かす器具について説明する野倉さん。

寒い気候の土地で保存食として発明されたチーズは、逆に温暖な地域では保存と鮮度維持という難しい壁がありました。
日本では加工され、傷みにくくしたプロセスチーズが主流。ナチュラルチーズはデリケートな分、コストがかかります。北海道でさえ、夏場はチーズの売り上げは落ちる。それを常夏の沖縄に持ち込んで売れるはずがない、採算が合わないと、断られる日々が野倉さんを待ち受けていました。

「本当に心が折れそうになりました。」
と、当時を述懐する野倉さん。

私も20代の頃、営業マンとして、それまで沖縄で誰も販売したことがなかった商品の新規販路開拓のため、相当、苦労した経験があります。連日連夜、会社ぐるみで販売戦略を練り直し、それでも売れないという日々を半年ほど過ごしました。何でもそうですが、誰もやったことがない、前例のない商品を販売するための新規開拓ほど困難を極めることはありません。

それを野倉さんは、たった一人で、二年間も諦めずに交渉を続けたのです。
熱意が伝わり、暑い沖縄でチーズの専門店とチーズバルをオープンしたのです。
「絶対に沖縄では売れない。」と言われたチーズは、予想を嬉しく裏切って、本格的な世界のチーズを渇望していた沖縄のチーズファンに歓喜と共に受け入れられたのです。

今では美味しいチーズとワインを楽しみたいなと思ったら、真っ先にチアーズとティンガーラを思い浮かべます。その品質の高さに惚れ込んだ高級レストランや本格的バーがチーズを買い求めにきます。

もし、野倉さんが諦めていたら、沖縄に住みながらこんなに美味しいチーズをお店や家庭の食卓で楽しむことはできなかったでしょう。名古屋から来たドミトリー暮らしの一人の青年の情熱が、沖縄の飲食業界のチーズ事情に革命を起こしたのです。

取材を終えてちょうど3日後に、私の母の誕生日だったのでティンガーラを訪れました。
普段、お酒を飲まない母が、私が勧めた赤ワインを飲み、新鮮なモッツァレッラチーズのマルゲリータやラクレットを楽しんでいました。屋外のテラス席で贅沢なひと時です。こういったささやかな幸せの時間を提供するために、一人、奮闘した人がいたんだなあと思うと何ともいえない感動に包まれました。

その張本人である野倉さんは、粛々と来店するお客様にサービスを施しています。
一階ではチアーズの加藤さんが遅い時間までチーズを買い求めていらしたお客様に、満面の笑みでチーズをセレクトしています。

前人未踏の革命を起こした本人達は決してそのことで驕ることなく、今日もサービス・パーソンのプロとして、お客様を笑顔にしてくれています。

チーズ専門店チアーズ/チーズバル ティンガーラ 店舗情報

チーズ専門店チアーズ
沖縄県那覇市銘苅2-4-39 UTビル1階
http://cheers77.sakura.ne.jp/

チーズバル ティンガーラ
沖縄県那覇市銘苅2-4-39 UTビル5階
https://r.gnavi.co.jp/f482900/
Facebookページ

ねこざむらい:

沖縄で猫と暮らす武術家ライター。沖縄で猫と二人暮らし。好きな食べ物はソーキそば。合気道、合気柔術の稽古に明け暮れ、那覇のセガールと呼ばれています。剣術、柔術クラス、受講生募集中!!

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